ゲーム雑誌を紐解くとゲームの歴史が見えてくる!

kindle unlimitedのメリットの一つとして、雑誌がたくさん読めることがあげられます。

なかでもレトロゲーム関連の雑誌やガイドブックは充実していて、かなりの数が読めます。

こうしたものは当たり外れもあるので、サブスクでまとめて読めるのはありがたいところですね。


さてこの『ゲーム雑誌ガイドブック』ですが、これは当たりの方です。

「ゲーム雑誌」とはいっても、この本では最初はパソコン誌だったLOGINやテクノポリスも扱っているのです。もちろんマイコンBASICマガジンも。

最初はパソコン雑誌だったこれらの雑誌が、しだいにゲーム専門誌になっていくのですが、その過渡期だった1982~1984年を取り扱っているページが私にとっては一番懐かしい箇所でした。

ちょうどこの時期によくベーマガやコンプティーク、MSXマガジンなどを読んでいたのですが、この本は各雑誌の特徴を要領よくまとめているので、ノスタルジーに浸りつつ当時をふりかえることができました。

大量のソースコードを載せていたベーマガ、ツクール系を生んだMSXマガジン、とにかく楽しさを追求していたコンプティーク……などなど、80年代のゲーム誌の豊かさは今回顧しても驚くばかりです。

雑誌文化そのものが滅びかけている今、百花繚乱だったゲーム誌の世界は完全に過去のものになってしまいました。


この本では、ゲーム誌の雄だったコンプティークが1994年に「パソコンゲームってなくなるの?」という特集を組んでいたことを紹介しています。

パソコンゲーム市場が縮小していく時代ならではの特集だったわけですね。

結局、コンプティークは美少女ゲーム路線に転換をはかり、2003年には二次元全般を扱う雑誌にリニューアルされたのです。

この頃私は完全にゲーム誌からは離れていたので、この本ではじめてコンプティークの「その後」を知りました。

ファルコムだけがまだどうにかPC向け一般ゲームのメーカーとして頑張っているなか、PCゲーム市場がコンシューマーに押されていく時代の流れは強く記憶に残っていますが、ゲーム誌も大きな岐路に立たされていたのですね。


ファミコンを持っていなかった私はファミコン雑誌は当然読まないのですが、この本を読んでいると、80年代半ばのファミコン雑誌の個性豊かさには心惹かれるものがあります。

まず裏技ブームを作ったファミリーコンピュータMagazine。ニンテンドー専門という縛りがあったため、付録でメガドライブを特集したときは任天堂からクレームがついたそうです。

そしてサブカル路線のファミコン必勝本。ベニー松山さんの小説が連載されていて、Wizファンの聖地になっていたそうです。これはこの時代に読みたかったですね。

ゲームの気に入らない部分を投稿させ、ユーザーの怒りをそのまま掲載していたハイスコアの独自路線も面白いところ。エニックスの報道規制を破ってドラゴンクエスト2の画面写真を掲載し、訴訟沙汰になったことまであります。こうしたカオスな部分も含めて、ゲーム誌という文化には活気があったんだな……と思わされます。


私は全然縁がありませんでしたが、「美少女ゲーム誌の歴史」はこの本のなかでも価値ある部分だと思います。

私はPCの一般ゲーム市場が縮小し、PCゲーム誌がこれらの雑誌にとってかわられていく時代を少し寂しく眺めていたものです。

ですが、美少女ゲームに思い入れのある方にとっては、むしろこれらの雑誌こそが思い出の中核になっているはずです。

思えばPCゲーム誌が隆盛の時代でも、こうしたゲームの袋綴じがついていたものでした。

人間の本能に訴えるゲームはやはり売れるし、それに伴ってこれらの雑誌も成長していったのです。

美少女ゲームは単に人の本能だけを刺激したわけではありません。コンシューマ機に移植された作品も多く、それはストーリー性がすぐれていたからです。

才能ある人間がこのジャンルに集まっていたからこそ、雑誌文化も花開いていたのでしょう。


ゲーム雑誌どころか、雑誌そのものが滅びかけている現在では、雑誌文化はこうした本のなかで振り返る対象になってしまっています。

思えば、こうして過去を振り返ることができるのも、それが紙に印刷されていたからなんですよね。

Vtuberの歴史などを後で振り返る場合、動画が全部消されていたら、どうやって過去を回顧すればいいのでしょうか。

それはここで考えることではありませんが、紙の文化がすべてネットに移行していくなか、失われるものも多いのではないかと思うこともあるのです。


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