本を選び、読み、活かすにはどうすればいいか

これは、出口治明さんによる読書ガイドです。

大読書家の出口さんが案内人となり、私たちの血肉になる本を紹介してくれるので、これからいい本を読みたいと思っている方にとっては価値のある一冊になるでしょう。

出口さんの本の読み方、読書遍歴を知りたい方にとっても面白い一冊だと思います。

本を読むのは教養を積むため

この本で出口さんは、まず知識と教養の違いについて説明しています。

・教育……生きていくために必要な最低限の武器を与えること

・教養……よりよい生活を送るために、思考の材料となる情報を広く、かつある程度まで深く身につけること

知識や情報がたくさんストックしてあれば、それだけ思考や直感など脳の活動の精度が高くなる、と出口さんは言います。よりよい生活を送るためには、教養が必要なのです。

そして、教養を身につけるには本が圧倒的に低コストです。人や旅からも学ぶことができますが、本が最も効率よく教養を身につけることができます。そのため、出口さんは多くの著書で読書を勧めているのです。

古典を読んだほうがいい理由

出口さんは読むべき本として、ビジネス書よりも古典をすすめています。

これは、ひとつには「人間の基本的、普遍的な喜怒哀楽を学べる」からです。

人間の脳は、古代からほとんど進化していません。出口さんは「人間の喜怒哀楽はギリシャ悲劇にすべて描かれている」とこの本で書いているように、古典とは人間学でもあるのです。

古典に親しむことで人間のケーススタディを多く積むことになり、人間を深く知ることができるのです。

出口さんは解説書よりも原典に直接あたることをすすめています。出口さんも推薦する『韓非子』などは読みやすいですし、現代人にも面白く読める古典だと思います。

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現代の本を読むときのルール

古典を優先的に読むことをすすめる出口さんですが、現代の本は読む価値はないと思っているわけではありません。

ただし現代は洪水のように本が出版されるので、なんらかのルールを決めないとなかなか読書にとりかかれません。

出口さんは目に飛び込んできた本を選び、立ち読みして最初の10ページで読むかどうか決めているそうです。

この時点でつまらなければ最後までつまらないので、読む価値はないというのです。

作者とフィーリングが合うか、今の自分に必要かどうかは、確かに最初だけ読めばわかるかもしれませんね。

ブックガイドが便利

この本には「目的別おすすめ本」と題して、出口さんのブックガイドが載っています。

「ファクトについて考える本」では『陰謀の日本中世史』がとりあげられていますが、これは私もおすすめの本です。人が陰謀論を信じてしまう理由が、明快に語られています。

「新社会人の心構えについて考えるための本」ではまず『韓非子』を紹介しています。これは純粋に読み物としても面白い古典ですので、一読をおすすめしたいところです。

ここでは意外なことに、ちきりんさんの『自分のアタマで考えよう』もとりあげています。出口さんはこう言う本はあまり読まないのかと思っていたので、少し印象が変わりました。

「リーダーについて考えるための本」では、出口さんがあちこちで推薦している『貞観政要』をとりあげています。古今のリーダーたちが読んだといわれる名著で、北条政子もこれを読んで帝王学を学んだそうです。

数多くの本を読んでいる出口さんですが、このブックガイドでは出口さんが「無人島に一冊だけ持っていくならこの本」と絶賛している本も載っています。どんな本でしょうか?

それは読んでのお楽しみです。


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