「上級魔法を習得してこそ一人前。爆裂魔法はネタ魔法」そんな紅魔の里の教訓とは裏腹に、めぐみんは爆裂魔法習得を目指し、勉学に励んでいた。ある日、学校から家に帰ると妹のこめっこが謎の黒猫を抱えていて!?

めぐみんが主人公のこのすばスピンオフ

『この素晴らしい世界に爆焔を!めぐみんのターン』は、めぐみんが紅魔の里で学校に通い、爆裂魔法を覚えるまでの話になります。

めぐみんと友達(?)のゆんゆんとの関係性がメインのストーリーになりますが、めぐみんもゆんゆんもまだ魔法が使えないので、学園物のような雰囲気の内容になっています。

本編はカズマがめぐみんやアクアへの突っ込み役になっていましたが、今回はめぐみんとゆんゆんがお互いにボケ役でもありツッコミ役でもあります。

常識人ゆえにぼっちになり、ちょっとした餌で釣られそうになるゆんゆんと、貧乏で食べ物にはすぐ釣られるめぐみんとの軽妙なやり取りが楽しめる一冊ですが、登場人物が女の子ばかりなので何となく華やかさもあります。

めぐみん好きな人や、紅魔族について知りたい人は必読でしょう。

本編とのリンクもあちこちにあります

この作品はこのすばのスピンオフですが、本編とのリンクもけっこうあります。

ソードマスターのミツルギは紅魔族の噂話に出てきますし、鍛冶屋では「大貴族のお嬢様がうちの鎧を愛用している」という話が出てきます。

これはダクネスのことなんでしょうね。

そしてめぐみんは「上級職ばかりで構成されたエリート集団で、パーティーの最大火力になる」と宣言するシーンもあります。

この決意はある意味では実現していますが、「上級職ばかりで構成されたエリート集団」がまさかあんなパーティーだとは、この時点では予想もしていなかったでしょうね。

こうしたシーンがあるので、この作品は本編を3巻くらいまで読んでから読んだほうが面白いと思います。

紅魔族の考え方や爆裂魔法の設定が面白い

紅魔の里で展開する話なので、この作品ではなぜ紅魔族が「あんな感じ」なのかがよくわかるようになっています。

たとえば、紅魔族がやたらと戦闘前の口上にこだわる理由。

これが、国語の授業で明らかにされます。紅魔族が国語を習うのは、戦闘前に場の空気を熱くするためだったのです。

めぐみんが中二病にしか見えないのもそういう理由だったわけですね。

そして、爆裂魔法についてもくわしい解説があります。この世界には上級魔法とは別に炸裂魔法・爆発魔法・爆裂魔法の3種類の魔法があり、炸裂魔法は公共事業にも使われていることがわかります。

そして爆裂魔法はダンジョンそのものを破壊するほどの威力を持っているため、使用者はダンジョンに入れないという癖が強すぎる魔法──事実めぐみんは本編ではダンジョンに入れなかったりしますが──で、完全にネタ魔法という扱いです。

そんな魔法にめぐみんがこだわっている理由も、この作品のプロローグで明らかにされていますよ。

最後は格好いいめぐみん

あくまで爆裂魔法にこだわるめぐみんは存在自体が色物みたいになってしまいますが、そんなめぐみんにも最後の最後には見せ場があります。

ここまでがひたすらゆんゆんとのコミカルなやり取りばかりだっただけに、紅魔の里にせまる危機に立ち向かうめぐみんが中二病全開の口上を並べる姿は、とてもかっこいい。

そして、めぐみんが仲間を求めて旅に出る動機もここにできあがるのです。

ずっと学園物のノリで進んできましたが、やはり最後はファンタジーでしたね。

このすばエピソード0としても楽しめる、いいスピンオフだと思います。


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