人間関係、失敗、病気、心配事……あらゆるツライことを「上手に消す」心の習慣があります。それは、「これも修行のうち」と捉えてみること。そのための簡単な方法(プチ修行)を50個、紹介します!

『反応しない方法』の内容がより実践しやすくなる

草薙さんの前著『反応しない練習』をより具体的に、実践的に解説したのがこの本です。『反応しない方法』は怒りや妄想・判断などの「反応」から抜け出して軽やかに生きる方法を説くものでしたが、こちらは「反応しない方法」について感覚・感情・考え方・意欲の4ジャンルに分けて紹介しています。

「プチ修行」と題されたそれぞれのノウハウはどれも実践しやすいものなので、読めばどれか一つくらいは毎日続けられるものが見つかると思います。この本も前著同様、俗世的な欲を全否定するものではないので、「修行」という言葉に抵抗のある方でも構えることなく読みすすめられます。この本はあくまで仏教の考え方を実生活に活かし、生きやすい毎日をめざすもので、出家修行者のような悟りをめざすものではないからです。

まず感覚に立ち返ることの大切さ

反応から抜け出るには、身体の感覚に注意を向けるのがいいと前著では説かれていました。

『これも修行のうち』では、感覚に心を向ける方法としていくつかの方法を紹介しています。なかでも、「30秒座禅」は気軽に実践しやすいと思います。

これは30秒ほど目を閉じて、お腹のふくらみや足の裏などに意識を向ける方法ですが、たったこれだけの時間でも雑な反応を洗い流すのには十分です。再び目をひらいたときは、ただ目の前のやるべき作業があるだけ。これが思考からも感情からも自由になれる「プチ修行」です。

サティ(気づき)を日々実践する方法

この本でいう「サティ」とは、気づきのこと。つまり自分の心の状態についてしっかり把握していることです。つまり反応に呑まれているときの正反対です。

日々サティを実践するうえでこの本で強調されているのは、「ラベリング」です。心の状態を言葉で確認することで、反応から抜けられることは前著でも書かれていました。

怒りを感じているときは「怒りの感情がある」、緊張しているときは「緊張している」と確認することがラベリングです。さらにこの本では、「心の指差し確認」もすすめられています。これは作業をする前に、「今からこれをやります」と宣言するやり方です。

人はつい無駄な反応をしてしまう生き物なので、この「指さし確認」をすることで、反応しにくくなるのです。反応してしまった場合でも、そこでまた反応したことに気づけば大丈夫です。

デジタル情報に「反応」しないためには

ネット時代の現代では、ニュース記事やYouTubeなどから大量の情報が流れ込んできます。これらの情報に無防備に反応すると、心が妄想でいっぱいになってしまうとこの本では警鐘を鳴らしています。

とはいえ、ネットにまったく触れない生活をめざすのは非現実的です。そこでこの本では、「方向として役に立たないものには近づかない」ことをすすめています。この本では「快」を追うことも認めているので、その情報が感情・思考・意欲などにプラスをもたらすなら価値はあると考えます。

ですが、快も追いすぎると不快に変わります。なので、この本ではタイマーなどで時間を区切ることを推奨しています。ある程度のデジタル・デトックスを進めていくと、そのほうが日々快適に過ごせることがわかってきます。ネットにかかわる時間をへらした分、身体の感覚や有益な学びなどから「快」を得ることができるからです。

ここでもやはり大事なのは、「感覚に帰る」ことです。頭がデジタル情報から得た妄想でいっぱいになっていると気づいたら、とりあえず歩き出すこと。「妄想から降りる勇気」が大事、という著者の主張は、ネットで盛んにデマが飛びかう現代こそ重要だと感じます。


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