パーティーメンバーを入れ替えてみると……
一章では、とある事情からパーティーメンバーをトレードすることになり、カズマが他のパーティーに一日参加することになります。
ここのメンバーはアクアやめぐみんよりもずっとまともで、カズマがはじめて仲間と連携して戦い、冒険者気分を味わっているのが泣けてきます。
ゴブリンを餌に初級冒険者を釣る「初心者狩り」という強敵を相手にも初級魔法をうまく使うカズマの立ち回りも見どころ。
最後に冒険者カードを見たパーティーメンバーたちがカズマの幸運の高さに驚いていますが、「本当に運がいいならパーティーメンバーにあの連中が集まってこないはずだ」とカズマは内心毒づいています。
この世界の「幸運」はあくまでスキルの成功率を左右するだけで、運命そのものには関係ないんでしょうか?それならアクアの幸運が最低レベルなのはどういうことなのか……
異世界のしくみがちょっと気になるところですね。
2巻にして初めてのダンジョン
二章ではダンジョン探索に挑みますが、このすばは異世界ものなのに、2巻にして初めてダンジョンに潜る展開になるのがもう笑えます。
めぐみんは爆裂魔法しか使えず、ダンジョンを壊してしまうから連れていけないというあたりに改めてカズマの苦労を感じてしまうところ。
連れてきた仲間はアクアだけですが、このダンジョンにはアンデッドが多いので、今回はアクアが意外と活躍しています。1巻でのアクアの足の引っ張り具合があまりにも酷かったので、ちゃんと役に立っている姿を見ると不覚にも感動してしまいますね。
とはいえ、アクアの活躍にも実は裏が……という展開になり、しっかりコメディとしてのツボは抑えてくれます。こういうところ、このすばは本当に安定感があります。
アクアはどこまでいっても駄女神なのでしょう。
ウィズの秘密が明らかに
三章ではある事情から、1巻でも出てきた善良なリッチー・ウィズの店をカズマたちが訪ねる展開になります。
そしてここで、ウィズの抱えている衝撃の事実が明らかに。
これでは魔王討伐はまだまだ先のことになりそうです……。
この秘密のせいでアクアとウィズが揉める一幕もあり、アクアは安定したトラブルメイカーぶりを見せつけてくれます。
ウィズの「アクシズ教団は頭のおかしい人が多く、関わり合いにならないほうがいいというのが世間の常識」という台詞がこの上ない説得力をもって聞こえますね。
アクアの駄目っぷりは四章でもしっかり発揮されています。レベルが上がっても知力が伸びない事実に涙を落とすカズマには、同情せずにいられません。
つまり、今後もずっとアクアは駄女神ぶりを発揮してくれるということですね。3巻以降も安心して楽しめそうです。
1巻より盛り上がる最終戦
最終章の5章は、今まで出てきた中でも最大の難敵・機動要塞デストロイヤーとの対決になります。
アクアやめぐみんを指揮しながらカズマが機転を利かせる流れは1巻のラストバトルとも似ていますが、今回はこの戦いにウィズも加わるのでさらに盛り上がります。
ウィズは〇〇〇の〇〇なので、実はかなり強いんですよね。三章でも出番が多かったし、実は2巻はウィズ巻だったといっても過言ではありません。
強敵の前に立ちはだかるダクネスもなかなか格好いいですが、よく考えると活躍ぶりは微妙でした。
最後に明かされるデストロイヤー開発者の抱えていた事情には、ちょっと同情してしまいました。最終戦の展開はややシリアスでしたが、やはりこのバカバカしさがあってこそのこのすば。
2巻も最高に笑えて楽しめました。今から3巻が楽しみで仕方がありません。
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